院長ブログ
2026年度
「第27回日本ロービジョン学会学術総会」2026年9月19日~21日
宮崎市で日本ロービジョン学会学術総会が行われました。
ロービジョン学会は、視覚障害がある方をどのように支援していけばよいかを研究し、情報交換するための学会です。眼科の医療従事者のみならず、教育、福祉、就業、機器開発などに関係する多職種の人々が参加します。
今回の学会では、暗いと見えにくい人(夜盲)がかけると見やすくなるメガネの開発のお話、視覚障害者のボーリング競技に携わっておられる方のお話、などがありました。また、トイレに関する話題のシンポジウムもあり、扉や壁に色がついていると分かりやすい、ということを聞くと、当院のトイレも視覚障害者の方にとっては見えにくいトイレなのかもしれない、と考えさせられました。自動車運転に関する研究も様々な方向から努力や開発が行われています。
学会のもう一つのメインは、現在治療方法がない眼の病気に対する新しい治療法の開発の最先端情報です。慶応大学の栗原俊英先生が開発された眼球内に光で神経細胞を興奮させる遺伝子を注射する治療方法が紹介され、光覚がなかった人が光を感じるようになり、涙を流して喜ばれたという話がありました。また、現在世界中で進行中の様々な遺伝子治療の紹介、神戸アイセンターで行われているiPS細胞移植治療の進行状況(現在先進医療として申請中)、大阪大学、愛知医科大学、杏林大学で治験として行われている人工網膜の紹介などがありました。これらの治療はまだ完成形ではなく、現在Quality Improvement(質の向上に向けての取り組み)が行われている状況だと神戸アイセンター病院の高橋政代先生がおっしゃっていました。
当院からも、ロービジョン外来で心理カウンセリングを行った経験をポスター発表させていただきました。同じような心理カウンセリングの試みを行っておられる眼科がほかにもあることが分かり、今後情報交換をしてさらに良い治療ができるように進めていきたいと思います。
宮崎はとても食べ物が美味しくて、人が優しい土地柄のようでした。

「眼瞼下垂を点眼薬で治療」2026年6月29日
後天的な眼瞼下垂は加齢やハードコンタクトレンズの長期使用、眼科手術の後などに起こります。これまで、眼瞼下垂の治療といえば手術しかありませんでした。しかし、このたびアップニークミニという点眼薬が参天製薬から発売されました。このお薬は、瞼を開く筋肉(ミュラー筋)に作用して眼瞼下垂を改善します。ただ、交感神経を刺激する可能性がありますので、心臓疾患のある方や閉塞隅角緑内障のリスクがある方は、要注意です。内科疾患の確認と眼科での細隙灯顕微鏡検査による診察は必須です。
私も長期間ハードコンタクトレンズを使用したりして、瞼が下がってきていたために試してみましたが、よく効いてみえかたもすっきりしました。鏡を見ると、眼が大きくなり少し気分がいいです。何人かの患者さんにも使っていただき、あまり効果がなかった方もありますが、多くの方がよくなったと喜んでおられます。
自由診療となります。点眼薬は30回分で4500円です。
「広島市視覚障害者情報センター訪問」2026年6月1日
広島市中区富士見町にある広島市視覚障害者情報センターを訪れました。視覚障害者用の白杖や拡大読書器、手で触れてわかりやすい時計や音が出る計器など、さまざまな用具が置かれていました(写真)。迎えてくださったのは、周藤さんと横山さんという職員さんです。お二人ともとてもフレンドリーで素敵な方でした!(写真)
10月25日に平和公園にある広島国際会議場で行われる「ロービジョンの集い」では周藤さんたちは福祉機器展示を行われることになっています。「ロービジョンの集い」は広島県眼科医会が行うイベントです。
情報センターは「広島市」の施設ですが、その他の地域の視覚障害者にも対応していただけるそうです。廿日市市でも広島県外でもよいそうです。そして、市町村によって福祉器具に対する助成制度は異なりますが、それぞれの地域に合わせた対応をしていただけるそうです。ありがたいですね。
最後はカープの話になりました。みんな熱烈なカープファン。このところ成績はあまりよくありませんが、気合と根性で頑張っている名原君はいいですね、ということで、これからも視覚障害者の皆さまと広島カープを力を合わせて応援していきたいと思います。
拡大読書器
白杖
ゲームなど
計器など
周藤さんと横山さん

